こんにちは!
「天空のおくりびとNET」担当のKです。
今回の記事は、第4回・7回の続きになります。
まさかなことに第3回まで続いております当企画(誰得でしょうか)。
リサイクルショップ店員目線から見た、大ヒットカテゴリである「遊戯王カード」の歴史を、今回も振り返っていきたいと思います。
前回の記事では2013~2014年までのおよそ一年分しか内容が進みませんでしたが(更新数を稼ぐためにわざとゆっくり進めているわけではございません)!
今回も、その続きから書き綴ってまいりますので、引き続きお楽しみくださいませ。
⑧妖怪ウォッチ大ヒット!
※少々無理はありますが、画像はイメージです。
「ゲラゲラポー、ゲラゲラポッポ、ゲラゲラポー♪」のテーマソングでおなじみ、「妖怪ウォッチ」の大ヒットは2014年の始まりと同時にやってきました。
妖怪ウォッチ第1作となるゲーム作品は2013年に発売していましたが、その当時は大きく話題になることもありませんでした。
しかしながら!
2014年1月のアニメ放送開始と同時に、一気にヒット街道を駆け巡り、妖怪ウォッチの名は全国区へ広まります。
それが遊戯王カードの歴史と何の関係があるの?
と言われそうですが、わざわざここで取り上げた理由として、「妖怪メダル」というアイテムが大ヒットしたことがカードゲーム界に巻き起こった大きな事件として、今も語られるレベルのお話です。
「妖怪メダルってなんなの?」
という方のために簡単に説明いたしますと、これはゲーム、アニメの両方でキーアイテムとして使われていたもので、何百種類と存在する妖怪のイラストと名前が書かれたものになります。
「この街中には、あらゆるところに妖怪が潜んでおり、誰もが体験するあんなこと、こんなことは全て妖怪の仕業である」
というのが、妖怪ウォッチの世界観の基本的な設定であり、普段は目に見えない妖怪が人間に憑りつき、そこから様々な事件が主人公の周りで起こっていく、というのが毎回のストーリーにおける大まかな流れでした。
いつもは普通の友達が、突然おかしな行動を始めたり、普通では考えられないようなことが日常に起こったりと・・・そんな「異常事態」に対して、主人公は「これはきっと妖怪の仕業だ!」と見抜き、そこから妖怪とのドラマが繰り広げられます。
そして、最終的には妖怪と友達になり、友達になった妖怪からは自身の「妖怪メダル」がもらえて、その回のトラブルは一件落着、といったストーリーでした。
そして、手に入れたメダルは次の回以降で、「妖怪ウォッチ」というその名が示す通り腕時計型のアイテムにセッティングして使うことができ、セッティングされたメダルに描かれた妖怪が、再び主人公の前に召喚され、主人公の味方をする、という用途で使われるものでした。
妖怪メダルの説明が長くなってしまいましたが、こういった形でゲーム及びアニメで使われていた妖怪ウォッチ、妖怪メダルが原作再現アイテムとして実際に発売されたわけです。
もちろん、ウォッチとメダルを揃えても実際に目の前に妖怪を召喚できるなんてことはなく、音や光の演出が楽しめる、所謂おもちゃの域を出ないものではありましたが、これがおそらくメーカー側ですら想像を上回るレベルの大ヒット!
当時、妖怪ウォッチの新品定価で6,000円~7,000円だったと思いますが、入荷後即完売、品薄状態が続き、中古相場がめきめきと上がり続けていたのを今でも覚えています。
確か、全盛期には20,000円近くまで高騰していたのではないでしょうか。
当時の勤務先でも、入荷するのに大変苦労した思い出があります。
妖怪メダルに関しては、遊戯王(久々にこのワードが出てきました。これがメインなのですが)をはじめとしたトレーディングカード類同様、シリーズ別にランダムに中身が封入されたパック販売のシステムが取られていました。
こちらに関しても、新入荷情報が出ると全国で朝から行列が出来るのは当たり前、中古相場はどんどん高騰(メダルに書かれたキャラクターによって人気・不人気がありましたので、一概に全て統一価格というわけではなかった点も、トレーディングカードに近いものがありました)の一途を辿っていました。
私の当時住んでいた地域では、「妖怪メダル付のアニメのオープニング・エンディングCD」すらも発売日に完売していたのを覚えています。恐ろしい人気でした。
そんな妖怪メダル、何がそんなに脅威だったかと言いますと、先ほどから少し触れている「販売形態がトレーディングカードに近い」という点に尽きます。
多くのリサイクル店では、この妖怪メダルシリーズはトレーディングカードコーナーで展開されているのが主流でした。
今では扱っている店舗も見なくなりましたが・・・悲しいものです。
当時の遊戯王・デュエルマスターズ・ポケモンカードといったカードゲームユーザーの中には、やはり子供も非常に多く、完全に子供をターゲットにした作品もあるほどでした。
少子高齢化社会と言えども、子供たちの心を掴んでおくのは商売にとって非常に大切なことでしょう。
そして、この彗星の如く現れた「妖怪ウォッチ」、完全にターゲットは低年齢層~大人まで、幅広く楽しめる内容になっていました。
アニメ・妖怪メダルは子供の遊び道具に、
ゲームは普通にストーリーも楽しめ、それなりに奥深さもあるため、子供~親まで楽しめる、
マクドナルドやUSJといったあらゆる場所に妖怪コラボが登場、もはや普通に生きていて目にしないことが無い、
そんなレベルのお話になりました。
アニメの大ヒットと、世の中の露出が上がるとともに、関連商品の売上も右肩上がりになり、まさに妖怪無双といった時代が繰り広げられているような様相でした。
しかしながら、何かがヒットすると何かが代わりに落ち込むのが世の常であり、カードゲーム界においても同様の流れが生まれてしまっていました。
いかに妖怪メダルが売れているといっても、ユーザーの財布が広がったわけではありません。
そこで、打撃を受けたのは既存のカードゲーム商品に他なりませんでした。
当時、私の勤務先でも妖怪メダルはトレーディングカード部門に位置していましたが、妖怪メダルのおかげで部門の売上全体が爆発的にアップ!!といったわけではなく、もちろん、全体的に見ても前年度との対比で150%以上をたたき出していましたが、妖怪ウォッチ以外のジャンルは軒並み100%を下回るような状況でした。
明らかに、ユーザーが移っているのを知らしめるような数値が出ていましたね。。。
これが一過性になるのか?
多少は落ち着く可能性はあるとは言え、継続的に期待できる売上なのか?
これは当時の私を含め、全国のリサイクルショップが抱えていた悩みだったのではないでしょうか。
そして、ようやく遊戯王に対する影響にも触れますが(お待たせいたしました)、私の勤務先では妖怪ウォッチの大ブーム以前に店舗のデュエル大会に出場していた小学生以下のプレイヤーが明らかに減ったな。。。というような事態は起こっていました。
幸いにして、当時の店舗は大学生ユーザーも多かったことから、運営に支障を来たすレベルの大打撃には至りませんでしたが、系列店舗によっては遊戯王の売れ行き、落ちすぎじゃね!?みたいな場所もありました。
そんな中、遊戯王も更に盛り上げるべく、「15周年記念」のイベント、商品がどんどん投入
されていく流れになりました。
過去プレイヤーの復帰を狙った商品展開も、この時期の大きな特徴と言えるのではないでしょうか。
この傾向は更に続き、2014~2015年にかけて更なる盛り上がりを見せてきます。
妖怪ウォッチ大ヒットの傍ら、今思い出しても流石KONAMIさん、と思えるような展開で、遊戯王は留まることなくカードゲーム界の王者に居座り続けます。
さて、妖怪ウォッチ大ヒットの時期に遊戯王はどんな展開をして、そして販売店としてはどのように映っていたのか?
この内容は、次回の第4回をお楽しみに!(え?)
◆最後に・・・
今回も、連載第3回として「ショップ目線から見た遊戯王の歴史」を記憶のままに書き綴ってまいりました。
今回は、自分で書いていて確信犯ではありますが、ほぼ大半が遊戯王ではなく妖怪ウォッチのお話になりました(ごめんなさい)。
ある意味、妖怪ウォッチ大ヒットの影響を最も受けたのはポケモンシリーズではなかったかと思いますが、この大型新人によってカードゲーム界に与えられた影響は、決して無視できないお話であったかと思います。
当時の勤務先のお店でも、どんどん商品ラインナップと売上構成が妖怪に偏っていくのが目に見えるほどでした。
そんな中、遊戯王はどのように展開を進めたのか?
遊戯王のお話が全く進んでいないことに反省の気持ちを覚えつつ、次回に繋げていきたいと思います。
まだまだリサイクルショップにおける遊戯王の小話はございますので、次回以降も引き続きお付き合い頂ければ幸いです。
以上、ここまでお読み頂きありがとうございました。
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